倫敦月/アラビア月

英国ロンドンとUAEドバイでの生活と見聞きしたこと、訪れた場所などのことを…

新ルールはカップルのために?(イギリスのロックダウン緩和)

イギリスのロックダウン開始から12週目。コロナウイルスの流行も少しずつ改善し、それに合わせて外出・接触の規制も徐々に緩和されてきました。 

pink-supermoon.hatenablog.com

 

昨日(6/10)、ジョンソン首相が発表した新たなロックダウン緩和は、今週末の土曜日(6/13)から単身生活者は別の家庭を訪問することができ、宿泊も可能になるというものです。ソーシャルディスタンスを取る必要もありません。

一人暮らしの寂しさを和らげられるようにというメンタルへの配慮です

BBCのこのニュースでは一人暮らしのお祖父ちゃんが、お子さんの家族を訪問して微笑みを交わすシーンを取り上げていますね。離婚した片親が親権を持つ元パートナーと子に会うパターンも含まれます。

www.bbc.co.uk

 

でも、みんな大好きタブロイド紙が取り上げるのは、もちろんこちら。

 

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これまでは公園で別々のベンチに離れていたカップルでも、これからは一つ屋根の下で互いの距離を気にせずに過ごせるという方です。

上の写真の左は"Keep a safe distance."「安全な距離を取りましょう」というNHS(国民医療サービス)の全面広告(5/26 Evening Standard紙)。右側の今朝(6/11 Metro紙)の小見出しには"Partners can visit for the first time since March."「パートナー達は3月以来初めて相手を訪問できる」とあります。

そして、一番下には"Singletons can hook up at last."「独り者はついにhook upできる」とあります。

さて、'hook up'はカギで引っ掛けるというのが元の意味ですが、Oxford Learner's Dictionaryで'hook up with (somebody)'を引くと、インフォーマルな用法として次が載っています。

 (1) ​to meet somebody and spend time with them (人に会って共に過ごす)

 (2) ​to start working with somebody (人と共に仕事を始める)

 (3) ​to form a temporary sexual relationship (一時的な性的関係になる)

もちろん、今回の内容に最も適切なのは(1)ですが、(3)を連想する人も出るでしょうね。

だって、本文の冒頭がこれですから。

"The lockdown sex ban imposed on thousands of couples who live apart is to be removed from Saturday, Boris Johnson announced last night." 「離れて暮らす何千ものカップルに課せられていたロックダウンのイチャイチャ禁止令が土曜日から解除されると、ボリス・ジョンソン(首相)が昨夜発表しました」

 

大見出しの"Crack open the bubbly!"ですが、この'bubbly'はインフォーマルでchampagne (a French sparkling white wine that is drunk on special occasions、シャンパン)なので、「シャンパン開けてお祝いだ!」ということ。

 

なお、今回の発表の中で'support bubble'「サポート・バブル」という概念が導入されました。一家族+単身者の範囲を支援し合う「バブル」と定義しています。こちらの用語も意識した見出しだと思いますが、あくまでも限られた範囲なので、Openしてはいけません。

 

さて、このMetro紙はロンドンを中心に平日に鉄道駅で配布されているフリーペーパーです。タブロイド紙的な軽い内容も多く、ロックダウン前は毎朝、地下鉄内で何人もがこれを広げる光景が普通でした。

それがこの2か月余りで広告が激減して薄くなり、読まれる部数も大きく減ったものと思います。

ロックダウンで離れた読者が、通勤列車に戻って、この新聞がまた広く読まれるようになるかも注目です。