倫敦月/アラビア月

英国ロンドンとUAEドバイでの生活と見聞きしたこと、訪れた場所などのことを…

イギリスのロックダウン大幅緩和 - それはギャンブルか

いよいよイギリスのコロナウイルス対策も大きな転換点を迎えました。

今日、ジョンソン首相により、7月4日土曜日からロックダウンが大きく緩和されることが発表されました(下記リンク)。

www.gov.uk

この発表の内容を書き出してみます。

  • パブ、レストラン、美容室が再開できる(ガイドラインに従う必要あり)
  • 2世帯の人々が人数制限なしに会うことができる(ただし、ソーシャルディスタンスは取る)
  • 宿泊施設が再開できる
  • 安全対策を取れば、レジャー・観光施設を再開できる - 屋外のジム、屋外の子供の遊び場(Play ground)、映画館、美術館、ギャラリー、テーマパーク、アーケード、図書館、社交クラブ、礼拝所、コミュニティセンター等
  • ソーシャル・ディスタンスとして2mが取れない場合、「1メートル・プラス」=1mの間隔と感染対策(マスクやシールド等)の組み合わせとする
  • ただし、一般の場所でのソーシャル・ディスタンスは継続
  • ナイトクラブ、屋内の子供の遊び場(Soft-play area)、屋内のジム、プール、ウォーターパーク、ボーリング場、スパ等も再開せずにさらなる安全対策を検討

 

今回もイングランドのみですが、大幅な緩和です。

BBCニュースの表現を借りれば、"English long hybernation is almost over."「イングランドの長い冬眠が終ろうとしています」

'Hybernation' = "a state like deep sleep in which some animals spend the winter"

 

経済の再活性化とコロナウイルス流行拡大リスクのバランスになるわけで、首相官邸を出るジョンソン首相に対して、こんな厳しい問いかけが。

 ”Are you taking a gamble with public safety?”「首相は公衆の安全を賭けようとしているのでしょうか?」

 

さて、この首相発表でも、ニュースでも、一番に取り上げたのはパブの再開!

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夕方、街を歩いていると閉まっていたパブに灯りが点いて、準備をしているところがありました。中を見ているこちらと目が合うと嬉しそうに微笑んでいました。

飲食、レジャー産業が再開するのが土曜日からというのも、多くの人にとって嬉しいのではないでしょうか。政府も人々が喜ぶポイントをちゃっかり押さえています。(笑)

 

ただし、上記リンクの政府発表には載っていませんが、報道によると歌や大声を出すような催しは許可されていません。教会の讃美歌もだめです。

映画館は再開しても、残念ながら演劇・ミュージカル等の劇場は休館が続きます。

ロンドンの劇場街、ウエスト・エンドで『レ・ミゼラブル』、『オペラ座の怪人』、『メアリー・ポピンズ』等を手掛けるプロデューサは、公的な支援は得られず、年内の再開はできないとして、スタッフの解雇も示唆しています。寂しすぎる決定ですし、文化的なダメージは極めて大きいのではないでしょうか。

(休止中の劇場、『レ・ミゼラブル』は昨年12月にリニューアル・オープンしたばかりなのに!)

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次は、国外から再入国したときの2週間の自主隔離も見直してもらいたいものです。イタリア、スペイン等のコロナウイルス流行が激しかったヨーロッパの国々が入国制限を廃止しつつある中で、イギリスがこの入国者対策を6月にもなってから導入したのには大きな疑問と不満が出ており、航空業界3社が政府を提訴しました。

日本もこの「水際対策」を継続していますが、不満の声が聞こえないように見えます。鎖国政策に満足しているのか、政府への不満表明ができないのか… いずれにしても、大きな違いを感じます。

 

個人的には屋内ジムの再開延期が痛いです。この3か月、ジョギングと室内の筋トレでなんとか体力と体形の維持に努めてはいるのですが… ええ、努力だけはしているのですよ。(笑)