倫敦月/アラビア月

英国ロンドンとUAEドバイでの生活と見聞きしたこと、訪れた場所などのことを…

NHS緊急治療センター(NHS Urgent Treatment Centre)のお世話になりました

自転車で転倒して負傷しました。

半身を地面に強く打ってしまい、ひどい擦り傷があり、突き指して脱臼等したかもという有様…

救急車というほどではないと自己判断したのですが(通りがかりの人には奨められ、後から考えたらそれがよかったのかも)、直ぐに診察、処置が必要と考えました。

イギリスの医療制度はNHS(National Health Service, 国民保健サービス)があり、掛かりつけ医であるGP(General Practitioner)があるのですが、休日だったので間に合いません。日系の医療機関も時間が限られている上に要予約です。

 

そんな場合はA&Eだとアドバイスをもらいました。Accident & Emergency、すなわち救急医療です。

自宅に戻り、傷を流水で洗い、消毒薬をかけ、ペーパータオルで圧迫して止血しながら、ウェブ検索で A&Eを調べると下記のNHSのページがヒットしました。イギリスで救急医療の情報を得るには、まずこのページからスタートです。

www.nhs.uk

 

このページの最初を読むと、A&Eは命に係わる重大な状況を扱いますとのこと。例には意識不明、呼吸困難、大量の出血等が挙げられています。

私の怪我はペーパータオルで圧迫して大体止血できていたので、そこまでではないな…

このページから、急を要するけれどそこまで重篤ではないという場合に取る方法として、 Urgent Care Centre111番への電話が挙げられています。

 

そこで111番に電話してみます。少し待って落ち着いた声の男性が出てきました。

こちらの状況を聞かれ、事故と怪我の状況を伝えます。こちらの医療履歴を調べるため、生年月日、氏名、住所を順番に聞かれて答えました。以前にGP登録してNHS番号があるので、それを元にこちらの個人情報を把握したのでしょう。

頭を打ったか (→No)、流れるほどに出血は多いか(→ Not very much, but still bleeding a little)、意識の異常はあるか(→No)などを聞かれた後、得られたアドバイスは最寄りの救急対応の病院、Ealing Hospitalに行き、111番で指示されたと伝えろとのことでした。

 

負傷した箇所をペーパータオルでカバーし、ウーバーを呼んでサウソール(Southall, WB1 3HW)にあるEaling Hospitalに行きます。ロンドンのアクトン、イーリング地区で一番大きなNHSの総合病院です。

入口ではコロナウイルス対策のため、赤外線で体温をチェックされ、マスクを渡されます。通常受付で事情を話すと、こっちじゃなくて別の入口に行けと言われました。緊急受付が別のようです。

なるほど、この看板はAccident & Emergencyと共に緊急治療センター(Uegen Treatment Centre)が示されています。年中無休、24時間体制です。

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こちらの入口でもう一度、体温チェックの後、受付に行き、状況と111番で指示されたことを伝えました。またしても生年月日、名前、住所、掛かりつけのGPを聞かれたので、その情報で受付は先ほどの111番での情報も知ったのだと思います。

受付横の待合場所でしばらく待ち、X線に行けと指示され、肘、手等のレントゲン撮影をして戻り、診察を受けました。

レントゲン写真を見ながらあちこちを指で押さえてここは痛いか、こっちはどうかと聞かれますが、傷のすぐ側や痛い箇所も構わず押さえられて、結構辛かったです。

幸いにして骨折はないと診断され、傷を消毒薬で拭き取り(これもかなり痛い)、黄色い薬のついた布と保護ガーゼで覆って、包帯を巻いて処置完了。

破傷風のワクチンを接種したか(Injection of Tetanus Vaccine)と聞かれ、Yesと答えると、それはよかったとのお言葉を頂きました。この Tetanus(破傷風)は別の場所でも聞かれたことがあり、覚えておくべき医療用語でしょう。

急に悪化したり熱が出たら、また連絡しなさい。イブプロフェン (Ibuprofen, 鎮痛薬)は飲んでいい。今後の治療はGPに相談しなさいと伝えられ、対処はこれに書いてあるからとリーフレットとガーゼ類を渡されて終わり。

この後どうしたらいいか聞いたら、受付に行く必要はなく、直接帰ってよいとのことでNHSの無料医療制度を実感しました。

なるほどと思って立っていると、どうして未だそこにいるの?とこちらを見て聞きます。あなたにもう一度"Thank you"を伝えるためですというと、初めて優しそうな顔をして"You are welcome"と笑っていました。

 

リーフレットを見ると、傷を乾燥させ清潔に保つこと、感染に注意すること、さらに治療が必要だったり熱が出たらどうするか等が説明してあります。無償の医療制度の一方で、できることは個人でしなさいという感じです。

GPでの検査以外で初めてNHSの医療のお世話になりましたが、いたせり尽くせりで過剰気味の日本との違いを実感しました。

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