倫敦月/アラビア月

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イートアウトでヘルプアウト (イギリスの外食半額補助制度)

コロナウイルス対策のロックダウンで長らく閉店していたパブ、カフェ、レストランは7月4日の「スーパー・サタデー」から営業を再開しましたが…

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3か月以上にわたる閉店の痛手は大きく、ウイルス対策が必要な上に、人々の外出を避ける心理もあって、直ぐに元通りという訳にはいきません。

そこで政府が経済活性化も兼ねて打ち出した政策が、名付けて"Eat Out to Help Out"「イートアウト・トゥ・ヘルプアウト」で、昨日(8/3)から始まりました。

  • 'eat out' ⇒ "​to have a meal in a restaurant, etc. rather than at home"「自宅ではなくレストラン等で食事をとること」
  • 'help somebody out' ⇒ "to help somebody, especially in a difficult situation"「他の人を手助けすること、特に困った状況にある人を」

つまり、「外食で人助け」政策ですが、韻を踏んでリズム感があります。これを揶揄した'Meal Deal'もそうですけどね(下記の記事参照)。

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具体的には8月の月・火・水曜日に飲食代金の半分を一人当たり最高10ポンド(約1400円)まで政府が補助します。つまり、利用者は20ポンドまでなら半額、それ以上なら10ポンドの割引です。ただし、お酒やサービスチャージは含まれず、テイクアウト(Take away)には適用されません。

一日に何回利用してもOKで、申請書等は不要です。

詳しくはこの政府のウェブページに示してあります。

www.gov.uk

ただし、利用できるのは、この制度に登録した店に限られます。なので、登録店ではこのようなポスター等で対応していることを知らせています。

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実は、上の政府のウェブページからリンクをたどると、このポスターや共通のロゴのPDFをダウンロードでき、使い方も指示されているのです。

だから、お店オリジナルのポスターにも同じフォーマットで"Eat Out to Help Out"と表示されていて非常にわかりやすく、手際の良さに感心します。

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 同ウェブページにはこの制度の不正利用を告発するためのリンクまであります。

なお、この制度はイギリス版「Go to Eat」キャンペーンと日本のニュースに載っていますが、発表(7/8)から実施(8/3)まで1か月もかかっておらず、そのスピードにも感心します。

 

また、試作バージョンですが、こちらの政府ウェブサイトでは、住所のポストコードを入力すれば5マイル以内にある対応店を検索することができます。(イギリスでは郵便番号に当たるPostcodeが細かく割り振られており、コードを入力するだけで地点が特定できます)

www.tax.service.gov.uk

 

例えば、上のウェブページにポストコードとして'SW1A 2AA'を入力すると、100件がヒットして、下の図のように近い順に表示されます。なお、チェーン店は除外されている場合があり、ページ内のリンクで調べられます。

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これを見て、「近いのはカフェ・コンチェルトのホワイトホール店だけど、ケーキ食べて太るなってキャリーに怒られそう」とか、「次は最高裁判所のカフェか… 穴場のいい店だけど去年の違憲判決を思い出すな」などと、どこに行くかを検討できるのですね。

'SW1A 2AA'はロンドンのダウニング街10番地、首相官邸です。