木苺はすぐそばに (ロンドンでブラックベリー)
子供の頃、翻訳物の童話に「きいちご」がよく出てきました。森で道に迷ってお腹がすいて、木いちごをみつけて夢中で食べたといったストーリー。
でも、子供の時分にはそれがどんな食べ物かを知らず、木にイチゴ(ストロベリー)が実っているような想像をしていました。イチゴといえば、ストロベリーか小さくて不味いヘビイチゴでしたから。
さて、初夏にロンドン郊外の公園や住宅地を歩いていると、このような白い花に出会ます。ブラックベリー(Blackberry)の花です。
上の写真はロンドンの西を流れるブレント川(River Brent)の川岸で見かけたもの。下の記事に載せたイーリング(Ealing)のPitshanger Parkを流れています。
(ちょっと童話に出てきそうな森か林の感じ)
このブラックベリーが実るのが7月末から8月。
摘み取って食べてみると、甘酸っぱく、プチプチした食感があります。
風味があって意外に美味しいとは思いますが、たくさん食べるものではありませんね。種もじゃまだし。庭などで沢山できたときはジュースやジャムにすることもあるようです。
ただし、十分に熟して黒く、柔らかくなったものでないと、酸っぱいので要注意。
もう一つ、注意しなければならないのはトゲトゲ。バラの仲間ですから。
とても生命力が旺盛なつる性の木で、盛夏には枝を精いっぱい延ばしているので、うっかりその茂みに短パンで足を踏み入れてしまうとひどい目に遭います。
公園や空き地の隅、崖下や河原などに広がるトラップのようなものです。
ブラックベリーを摘んでいると、子供の頃に同じように摘んで食べた桑の実を思い出します。童話を読んだころに、桑の実と同じようなものと知っていれば、実感が湧いたでしょう。
実際に、桑の実はマルベリー(Mulberry)という名で木いちごの一種に数えられています。
とはいえ、ロンドンのお店で見るベリーはブルーベリー(Blueberry)とラズベリー(Raspberry)がほとんどですが。
※ロンドンのタウン誌TimeOutのウェブページに、ブラックベリー摘みができる場所が紹介されていたので、リンクを追加しておきます。