窓辺の虹とテディーベア (ロックダウン中の子供たちの思い出)
コロナウイルス対策としての厳しいロックダウンがイギリスを覆った春先、ロンドンの住宅街の窓辺に見かけるようになったものがありました。
子供たちが描いた虹の絵です。
これらの虹の絵はコロナウイルスの大流行に対して懸命の治療活動をするイギリスの国民医療サービス、NHSを応援しようとして始まったようです。
それは直ぐにロックダウンによって学校に行けず、家や近所を歩くことしかできなくなった子供たちに希望を与える活動に発展しました。
虹の絵を描き、窓辺に飾ることで、子供たちがNHSを始めとする医療や生活を支える仕事に従事する人々を勇気づけることができ、子供たち自身も絵を描くこと、近所の家々に虹の絵を見つけることで、雨の後に見る虹のような希望を心に持つことができるようにという活動です。
3月上旬に始まった活動は瞬く間にイギリス全土とインターネット上に広がり、子供たちだけでなく、ロックダウン中の人々の心を温めました。
4月5日に女王陛下が国民を力づけるために行った歴史的なスピーチの放送にもこれらの虹の絵が取り上げられました。
家から飛び出したものも沢山見られました。
さらには、黒人差別への抗議を示す"Black Lives Matter"と一緒になったもの。
(参考) "Black Lives Matter" とマイノリティの恐怖 - 倫敦月
グレンフェルタワー火災における犠牲者を追悼する緑のハートと一緒になったものも。(参考) グレンフェル・タワーの今 (大火災から3年) - 倫敦月
虹の絵ほど多くはありませんが、同じく窓辺に見かけるようになったのがテディーベアです。
こちらはニュージーランドで始まった活動で、やはり学校に行けなくなった子供たちを楽しませるため、ぬいぐるみのテディーベアを窓辺に置いて見つけてもらおうという"Teddy Bear Hunt"「テディーベア・ハント」という活動です。
中にはテディーベアではないキャラクターも…
家の中だけではありません。公園の林の入口にこんな掲示が。
「テディーベアを見つけよう!」「そして、お話を作ってみよう。どうやってそこまで行ったのかな?何して遊んでいるのかな?」
あっ、いました!
コロナウイルスの大流行は子供たちにも暗い影を投げかけました。
今日(9月2日)から、多くの学校が再開されて子供たちが登校を始めましたが、これらの楽しい思い出も、ぜひ記憶しておいてほしいと思います。