イーリング・アクトンからウェストミンスターまで自転車で(前編)
これまでロンドン中心部に行き来するのには地下鉄を利用していました。ところが、コロナウイルス対策のため公共交通機関の利用を控えることが推奨されています。
そこで、自転車を使うことを考えてグーグルマップを見ると、地元であるロンドン西郊外のイーリング (Ealing)・アクトン (Acton)からロンドン中心部のウェストミンスター(Westminster)、国会議事堂・ビッグベンまで7.9マイル、12.5kmです。1時間くらいで行ける距離だと考えて、そのルートを自転車で走ったのが今回の記事です。
(自転車利用を勧める地下鉄広告)
1.ルート
イーリング・アクトンを貫く主要道路のアクスブリッジ・ロード (Uxbridge Road, A4020)は、そのまま真っ直ぐロンドン中心部に向かっています。それもそのはずで、この道は古くはロンドンからオックスフォードに行くための街道でした。今回はこのルートでビッグベンまで行きます。
2.イーリング・アクトンからシェパーズ・ブッシュ
イーリングコモン駅 (Ealing Common Station)からスタート。ロンドン日本人学校に近いこのエリアは日本人が多く、通り沿いに日本料理店や日本食材店(ナチュラル・ナチュラル/Natural Natrual)もあります。
(一見それとはわからない日本食材店 ナチュラル・ナチュラル)
東に進むとほどなくアクトン中心街の表示があります。近くには日系医療機関のジャパングリーンメディカルセンターのアクトン診療所があります。
アクトン中心街の入口にあるラウンドアバウト (環状交差点)。ロンドンでは基本的に自転車は車道を他の自動車と一緒に走ります。ラウンドアバウトでは出入りする車が自転車を見落とす恐れがあるので、こちらに気づいているかに注意する必要があります。自転車事故が多発しているラウンドアバウトも存在します。
アクトンのセント・メアリー教会 (St Mary's Church)は12世紀から続く教会で、現在の建物は1837年から1867年にかけて再建されたものです。
ここに1832年に設置されたマイルポスト (道標)があり、ロンドンまで5マイル (8km)と表示されています。
付近の道沿いに多くの店やパブがあるのですが、それは古くはこの街がアクスブリッジ・ロードの最初の宿場町的な役割を果たしていたから。江戸の日本橋から2里(8km)にある品川宿が東海道の、内藤新宿(今の新宿)が甲州街道の最初の宿場町なのに似ています。
ここにある自転車向け道路距離表示ではロンドンまで10km。今回のルートだと10km先はバッキンガム宮殿 (Buckingham Palace)付近です。
上のマイルポストで示される5マイル(8km)先はハイドパークの真ん中付近で、当時はどこを起点にしていたのか(ケンジントン・パレスまでは約7km)。
アクトンの道沿いには東欧、南アジア、中東、アフリカに関係する商店やが多く見られ、移民が多いエリアであることがわかります。イスラム教のモスクもあります。
アクトン中心街を抜けると自転車レーンがあって走りやすくなりました。ロンドンは交通渋滞や大気汚染を抑制するために自転車の利用を推奨しており、このような自転車レーンが増えてきています。でも、オランダやドイツ等に比べるとまだまだ整備不足ですぐに途切れるのが残念。
次の街、シェパーズ・ブッシュ (Shepherd's Bush)に入ると、また国際色豊かな商店やレストランが増えてきます。ここのように自転車レーンがあるとよいのですが、この先でなくなってしまうばかりか、路肩の駐車車両が増えて通行に苦労します。
シェパーズ・ブッシュ・マーケット(Shepherd's Bush Market)。様々な食品や衣料品などを売る小さな店が並んだ屋外マーケットです。
シェパーズ・ブッシュ駅に着きました。左に曲がるとイギリス最大のショッピングモール、ウェストフィールド・ロンドン (Westfield London)。この通りがアクスブリッジ・ロードと呼ばれるのはここまで。
ここを真っ直ぐ進みたいのですが、前方のラウンドアバウトに自転車で進入するのは危険です。正面の坂を上らず、左のバスレーンから駅の脇の歩道(自転車通行可)に進み、横断歩道で北に向かうA3220を横切ります。ラウンドアバウトの次の出口はハイド・パークの北を通りオックスフォード・ストリート (Oxford Street)に向かう道。今回はこれを過ぎた二つ目の出口からA3220を南に向かう方、ホランド・ロード (Holland Road)を進みます。
(この2車線のラウンドアバウトに自転車は危険)
(ウェストフィールド・ロンドンの入口)
3.ケンジントン
ロンドンの行政区でいえば、ここまでがイーリング(Ealing)とハマースミス・アンド・フラム(Hammersmith and Fulham) で、次はケンジントン・アンド・チェルシー (Kensington and Chelsea)になります。
道沿いの風景が一変して、街路樹のある道にと整備された住宅街が広がり、高級車にもちょくちょく出会うように。
ここから対向側と別れた一方通行の道になります。
左側に見える青黄赤の三色旗はパラグアイ大使館。
この先の信号の交差点で左折して、ケンジントン・ハイストリート (Kensington High Street)に入れば、ロンドンの繁華街までもう少しですが、長くなりましたのでこの続きは別の記事で…
※後編はこちら