イーリング・アクトンからウェストミンスターまで自転車で(後編)
ロンドンの西郊外から市内中心まで自転車で行った、その後半。ケンジントンからウェストミンスターのビッグ・ベンまで、名所めぐりのようなルートです。
こちらが西郊外のイーリング、アクトンエリアからビッグ・ベンまでのルート。7.9マイル(12.7km)の内、今回は後半の3.8マイル(6.1km)です。
1. ケンジントン・ハイストリートをケンジントン・ガーデンズまで
前回は街中のケンジントン・ハイストリート (Kensington High Street)に出るところまででした。
ハイストリート(High Street)はイギリス英語で"the main street of a town, where most shops, banks, etc."「多くの商店や銀行等がある街の主要な通り」のこと。アメリカ英語だと、ずばり'Main Street'。
ロンドンでも高級イメージのあるケンジントン地区の目抜き通りを走ることになります。
通り沿いの最初の街はホランド・パーク (Holland Park)。その名前の公園がありますが、入口ゲートの立派なこと。この周辺は富裕層の住宅地です。
もう道案内もロンドン中心部の名前(West End、Westminster)になりました。
ハイストリート・ケンジントン駅まで来ると、お洒落な服飾店、食品店などが並ぶショッピング街です。ユニクロ、無印良品(MUJI)もあります。
さらに真っ直ぐ東に向かうと、左手にケンジントン・ガーデンズ (Kensington Gardens)が見えてきます。隣接するハイド・パーク (Hyde Park)の向こうまで行きます。
上の写真で白い花をつけている街路樹はセイヨウトチノキ (Horse Chestnut、マロニエ)。実際に行ったのが6月だったことがばれますね(笑) 今頃は栗のような実が沢山落ちていることでしょう。
右側に見えたレンガ造りの建物は五つ星ホテル、マイルストーン・ホテル (The Mile Stone Hotel)です。
このホテルの歴史を見ると政治家の邸宅から始まり、今の建物は1880年代のものだそう。
Milestone Historic Luxury Hotel |5 Star London Accommodation
1922年にホテルになっており、名前の由来は建物脇にあるマイルストーンから…
え?
確かに正面入り口の右手に白い道標らしきものがあります。写真を拡大してみると、前回の記事に載せたアクトンの教会脇のマイルポストに似ています。アクトンからここまでは4マイルで、残り1マイルという距離も合致します。
反対側の表示はアクスブリッジ (Uxbridge)なのか。次に行ったときに確認しなければ。
2. ケンジントン・ガーデンズとハイド・パーク
さて、このまま通りを真っ直ぐ行ってもよいのですが、せっかくなので公園に入りましょう。その方が安全だし。
左手に見えてきた茶色の入口、クイーンズ・ゲート(Queen's Gate)からケンジントン・ガーデンズに入ります。
王立公園のケンジントン・ガーデンズの公式な正面入り口がこのクイーンズ・ゲート。1858年に作られた鉄製の門で、上に掲げられたライオンとユニコーンをあしらった連合王国の国章(国王の紋章)が見事です。
ケンジントン・ガーデンズとハイド・パークには自転車で通行できる道(青の点線)がいくつかあり、今回は下の地図の黄色のルートを通ります。
アルバート公記念碑 (Albert Memorial)の前を走ります。ビクトリア女王が夫のアルバート公の死を悼んで建てたもので、黄金のアルバート公が見つめる先には音楽の殿堂、ロイヤル・アルバート・ホールがあります。
さらに進んで、左に広がる緑はハイド・パーク。右の近代的なビルは超高級住宅のワン・ハイド・パーク (One Hyde Park)。最上級のペントハウスの価格は推定1億4000万ポンド (竣工した2011年のレートで約179憶円)だとか。
その億の、じゃなかった、奥のレンガ造りの建物はマンダリン・オリエンタルホテルで、もちろん五つ星の超高級ホテル。パークサイドのスイートは一泊4500ポンド(約61万円)ほど。はー…
ハイド・パークの東南、ハイド・パーク・コーナー (Hyde Park Corner)で右に曲がって公園の外に出ます。
石造りのゲート、ハイド・パーク・スクリーン (Hyde Park Screen)を出れば、右には地下鉄のハイド・パーク・コーナー駅があります。
3. グリーン・パークからバッキンガム宮殿へ
ハイド・パークを背して信号を待ち、道を渡ると今度はグリーン・パーク(Green Park)。ハイド・パークと同じく王立公園です。
中央に見えるウェリントン・アーチ (Wellington Arch)はナポレオン戦争におけるワーテルローの戦いの勝利(1815年)を記念した凱旋門で、1830年に完成したもの。自転車でくぐれますが、観光客も多いのでスピードは控えめに。
アーチから真っ直ぐ延びるConstitution Hillの道を行きます。その入口に並ぶ石柱はコモンウェルス・メモリアル・ゲート (Commonwealth Memorial Gates)。第一次・第二次世界大戦で大英帝国の一員として戦った南アジア、アフリカ、カリブからの軍隊を記念するものです。
左をグリーン・パーク、右をバッキンガム宮殿の庭園の緑で挟まれた道を行くと、バッキンガム宮殿 (Buckingham Palace)の建物が見えてきました。
宮殿の赤い制服の衛兵はロンドン名物の一つでしょう。
宮殿前のロータリーを右に回り込みます。
ロータリーの中央はヴィクトリア記念碑 (Queen Victoria Memorial)。宝珠を手にして座るヴィクトリア女王の上で、勝利を表す黄金の像が羽ばたいています。
4. セント・ジェームズ・パークからビッグ・ベンへ
このゲートからロータリーを出て左折し、この日4つ目の王立公園、セント・ジェームズ・パーク(St James's Park)を左に見ながらバードケージ・ウォークをまっすぐ走ります。バッキンガム宮殿の衛兵交代式ではここを楽団とともに行進して宮殿まで行き来します。
ほどなく石造りの建物が並ぶオフィス街に入ります。いよいよビッグ・ベンが見えてきました。
正確にはビッグ・ベンの尖塔の先と取り巻きの足場というべきか…
国会議事堂前広場、パーラメント・スクエア (Parliament Square)まで来ました。
そして、ゴール!
残念ながら、時計台のエリザベスタワー(Elizabeth Tower)と、その時計ビッグ・ベン (Big Ben)は改修工事中。2021年完成を目指しています。
この9月末よりできた箇所から足場を外していくというニュースもありました。その雄姿が見られるようになるのが楽しみです。
ビッグ・ベンまで来ればすぐにテムズ川です。
休日のロンドン市内を自転車で移動するのは便利です。自動車も少なくて動きやすいですし。上の写真のあちこちに自転車が写っていることからも、サイクリングを楽しむ人が多いことがわかります。
私もこれ以降、休日の市街へ自転車で行くことが増えました。今後の記事でも移動に自転車を利用しているかもしれません。