ロンドンマラソンとイーリングハーフマラソン
今年、2020年のロンドンマラソンは先週の日曜日、10月4日に開催されました。
当初は4月26日に行われるはずだったのですが、コロナウイルスの影響でこの10月に延期されたのです。そして、変えられたのは日程だけではありませんでした。
コースはロンドン市内を巡るルートからセント・ジェームズ・パーク周りの2.15kmのコースを20周するものに変わり、出場選手は男子・女子のエリート選手と車椅子のみになり、一般参加選手も観客もいないというレースになりました。
当日はあいにくの雨でしたが熱戦となり、特に男子エリートはゴール直前のスパート勝負でシュラ・キタタ選手(Shura Kitata)が1秒差で競り勝つという劇的な結果に。
Just wow! 🤯
— Virgin Money London Marathon (@LondonMarathon) 2020年10月4日
What a finish to the 2020 Virgin Money London Marathon as Shura Kitata wins the sprint finish.#LondonMarathon #The40thRace pic.twitter.com/y1HsUBA4f3
そして、参加予定だった一般選手が全く顧みられなかったというわけではなく、2021年から2023年に出場権を伸ばすか、GPSアプリを使ったバーチャルマラソンで参加するという選択が与えられました。
バーチャルマラソンはこの開催日当日の24時間ならば世界中の好きなところで42.195kmを走ることにより参加でき、タイムも記録され、入賞や完走賞も出るという試みです。
If you've finished your race, sum up your virtual Virgin Money London Marathon with GIF...#LondonMarathon #The40thRace pic.twitter.com/IuqLY6hlBN
— Virgin Money London Marathon (@LondonMarathon) 2020年10月4日
実際に当日の夕方、街中で何人かこのロンドンマラソンのゼッケンをつけた人を見かけましたから、彼ら・彼女らは自分なりのルートでチャレンジしていたのでしょう。
ところで、上のバーチャルマラソンの画像の中にサイの恰好をしたランナーがいます。このサイ、昨年2019年のロンドンマラソンでも見た記憶があります。
そう、ロンドンマラソンはトップアスリートが競うレースであるのと同時に4万人を超える一般ランナーのお祭りです。
と、知ったのは昨年のレースをTVで見たとき。参加者とその顔ぶれ・年齢の幅広さや、ユニークな恰好をした人が多く面白く見ることができました。
BBCはコース中の何か所かにインタビュー場所を設けて、通りかかった一般ランナーを呼び止めてどんな人か、どこから来たのか、調子や抱負はどうか等を尋ね、ライブで放映していました。
この仮装ランナーはロンドンマラソンの名物でもあるようで、動物やぬいぐるみ、ディズニーやマーベルのキャラクター等に扮したランナーが沢山見られました。
何と、主催者のウェブページの参加者に向けたアドバイスの一つにもこれらのコスチュームでの走り方が大真面目に(?)取り上げられているという…
www.virginmoneylondonmarathon.com
そして、昨年、最大の話題と笑いを巻き起こしたのが、このゴールに引っかかってしまったビッグ・ベンの仮装。何でも建物に仮装したランナーの記録更新を狙っていたとか。
After 26.2 miles this is not what you want at the end....#LondonMarathon pic.twitter.com/6pYDOVoSub
— BBC Sport (@BBCSport) 2019年4月28日
記録更新といえば、こちらは看護師のコスチュームでの新記録を目指した本物の看護師ランナーのニュース。ギネスブックはこの服装(本人の看護師のユニフォーム)がスカートのナース服ではない上、ナースキャップとエプロンも着用していないからと記録更新を認めませんでした。それが時代遅れのステレオタイプだとの論争を引き起こした末、今年になって新記録として認められました。めでたしめでたし。
でも、この放送を見ていて、これらの面白いランナーたちと同様に印象的だったのは、医療、自然保護等のチャリティーのメッセージが入ったシャツを着たランナーたち。実は一般ランナーの75%もがチャリティーを行うことで出場枠を確保しているというのが、このマラソンの大きな特徴の一つなのです。寄付金は一人最小2000ポンド(28万円)ほどと言われていますから、それが3万人以上で… スポーツと同時に巨大なチャリティーイベントなのですね。
上で取り上げたサイのコスチュームも、野生のサイを守ろうというチャリティーのメンバーです。
Blood, sweat, tears and heart: Running for Save the Rhino
ところで、昨年は私の住むロンドン西郊外のイーリング区(London Borough of Ealing)でもハーフマラソン大会がありました。道路を封鎖して行われる本格的なレースで、イギリス国内で行われるハーフマラソン大会でも上位に評価されているもの。
やはり、チャリティー参加の募集もあり、この文化が広がっていることを感じます。
実は、私もこれに参加したのです。
一昨年の大会をたまたま通りかかって見たのですが、老若男女のランナーたち、チャリティーのTシャツや仮装して走っているランナーたち。日本人もちらほらと。
皆が自分なりの力で走り、周りの街の人達がこれに声援を送って盛り上げているのがとてもよい感じでした。
そして、これに挑戦してみたいという気持ちが大きくなっていきました。
それから1年、元々運動音痴で長距離走など縁のなかった私がジムで、公園で少しずつ走れる距離を延ばして、何とか13マイルを走るべく練習して、9月の最終日曜日に行われるこの大会にエントリーしたのです。
当日は雨でしたが、5000人を超えるランナーの一人として走りました。
Thank you @ShappiKhorsandi for starting our half. Have a great race everyone! #EalingHalf #EalingFeeling #EalingHalfMarathon #EalingHalf2019 #halfmarathon #UKrunchat #charity #westlondon #runlondon #visitlondon #londonrunning #runningcommunity #EHMLegacy pic.twitter.com/oBI4q4OtD4
— Ealing Half Marathon (@EalingHalf) 2019年9月29日
(ここにもサイに扮したランナーが…)
Just watched the runners coming up the road for the @EalingHalf and got a little verklempt as always. Go go go! (Note the person in the...triceratops costume?!) #EalingHalfMarathon #EalingHalf2019 pic.twitter.com/yjAKLoBX3G
— String Bean Jen (@StringBeanJen) 2019年9月29日
沿道では地元の人たちが大勢こちらに声援を送ってくれる上に、果物や飴、ゼリービーンズ等をふるまってくれたりします。拍手や鍋を叩いて応援してくれたり、"Well Done"と声を掛けてくれたり。大会をサポートする大勢のボランティアもまた地元の人たち。
それらに力づけられながら走ったのですが、残念ながら、後半は膝に痛みが出て目標タイムには届かず。それでも初めてのハーフマラソンを完走し、充実感を味わうことができました。
(参加賞のメダル)
今年も参加を目指していたのですが、やはりコロナウイルスで中止になったのはもう残念でしかありません。
でも、次のチャンスを狙ってトレーニングは続けていきたいと考えています。コロナウイルスなんかに負けないぞ!というためにも…
(操作ミスで一度この記事を非公開にしてしまいました。スターをつけてくださった方、消してしまい申し訳ありませんでした。)