倫敦月

英国ロンドンでの生活と見聞きしたこと、英語についての関心事、そして他のヨーロッパ各地についても少々(のつもりです)

イギリスはロックダウンを回避したい (コロナウイルス対策の強化状況)

今日(10/13)のイギリスのコロナウイルス新規感染者は17,234人、死者は143人と発表されました。残念ながら9月22日のジョンソン首相による感染抑制ためのルール順守の呼びかけも功を奏せず、政府は感染者急増の'Tipping Point'臨界点にあるとしています。

pink-supermoon.hatenablog.com

 

下のグラフは2月以降の毎日のコロナウイルス感染者の推移とイングランドの規制状況です(スコットランド、ウェールズ、北アイルランドは若干規制が異なる)。

https://coronavirus.data.gov.uk/cases

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9月以降の感染者の急増が目立ちますが、7月から既にわずかながら増加しています。上のリンクから感染者数のデータをダウンロードできますので、EXCELで1か月毎に指数関数で近似して、その感染率(Rナンバー)を求めてみました。

 (Rナンバーについてはこちら)

ゼロときどきオウ、所により一時ノート (英語で0の読み方) - 倫敦月

結果は7月、8月、9月、9/13~10/12の順に1.010、1.018、1.051、1,065とどんどん増大しています。R=1.065という数字は11日間で新規感染者が倍増するという事態です(1.065の11乗=2.0)。

3月はR=1.223で、3.4日で倍増するこの数字より現状はずっと小さいとはいえ、高齢者の感染者数や、死者数も増加中なので、もはや放っておけない状況なのは明らかです。

ただし、直近7日間は感染者数が横ばいで、これが規制の効果ならばよいのですが。

 

そして、昨日、ジョンソン首相は昨日の会見で、新たにイングランドにおいて、地域の感染者数に応じた三段階の規制を明日(10/15)から導入することを発表しました。

youtu.be

(全文はこちら)

Prime Minister's statement on coronavirus (COVID-19): 12 October 2020 - GOV.UK

 

ここで述べられたのは、これまで分かりにくいと指摘されていた地域毎に異なるルールを統一して明確にしたものです。感染者数の状況に応じてTier 1から3までの3段階の規制を行うこととし、その内容は以下の通り。

  • Tier 1 (Meddium); 別の世帯の人と集まるのは6人以下、パブ・レストランは夜10時閉店 (現行ルールと同じ)
  • Tier 2 (High) ; さらに、別の世帯の人と屋内で会うことを禁止(屋外は可)
  • Tier 3 (Very High); さらに、別の世帯の人とは屋外でも会うことを禁止、パブ・バー・ジム・カジノを休業 、レストランは営業するが行かないよう勧告

現時点で一番厳しいTier 3が適用されるのはリヴァプール付近のみ。Tier 2はマンチェスター、ノッティンガム、その他イングランド北部等。

ロンドンはTier 1ですが、近いうちに引き上げられる可能性があるとカーン市長は指摘しています。

 

さて、この発表を聞いた個人的な感想ですが、これだけで感染者の拡大を抑えられるのか疑問です。

Tier 1は20日前に実施が始まった現行ルールそのままです。上のグラフの直近7日間を効果ありと見られるならよいのですが、未だその保証はないので。

Tier 2で加わる制限は小さく、Tier 3でも主にパブを対象にしているだけ。しかも、ルール違反を摘発する方策が聞こえて来ません。

7月に飲食店を再開した際は、ソーシャルディスタンスを取るという制限が付いていましたが、8月以降の街中の状況を見るとなし崩しになっているように感じます。マスク着用は比較的定着していますが、守らない人もあちこちで見かけます。

経済へのダメージを懸念して厳格なロックダウンを回避したいように思いますが、それならその最小限のルールをしっかりと守るような手立ても同時に必要なのでは?

罰金罰金で街中の雰囲気がギスギスしてしまいそうですが、赤信号でもどんどん道を横断する個人主義優先の国ですから…

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