ロンドンでも栗ご飯
10月後半にもなるとロンドンのスーパーでも栗が売られるようになります。
栗は英語でマロン?
残念、それはフランス語 (marron, 大粒の栗)。
英語ではチェスナット (chestnut)ですが、フランス語のマロンを語源に持つ 'maroon' = "a dark red-brown colour"「暗い赤茶色」という単語もありますね。「栗色」というべきでしょうか。
このイギリスのスーパーで売られている栗は日本のものに比べると二割程度小粒です。まあ、値段も一ネットで3ポンド(約420円)程度と安いのですが。
私は子供のころよく食べた栗が好きなので、イギリスに来てこれを見つけたときは、嬉しくなってすぐに買ってみました。でも、茹でると水っぽく甘みが少なくて、食べられはしますが、美味しいとまではいえません。
オーブンで焼くと甘みが強くなってよいらしいのですが、焼き加減がわからなくて躊躇したので、栗ご飯にしました。
難関は皮むきです。特に今年は屋台で安売りしているのをたくさん買ってしまったので。
(チェスナット一箱3ポンド)
小粒なのが泣けます。概算で200個以上はあろうという栗をひたすら剥き続けました。
ラジオペンチで外側の鬼皮をむしり取り、ピーラーで渋皮を剥きます。食べる「実」の部分は日本の栗より硬めで、ピンセットで渋皮をパリパリ剥がせるものもありますが、ダメならすぐにピーラーで削り取ります。渋皮が実の深い皴の中に食い込んでいるものは容赦なく割って削り取り!
時間をかけて剥き終わった成果の一部はこんな感じ。
ここまで来れば、あとは普通の栗ご飯のレシピで炊いてOK。
懐かしい日本的な秋の味覚を楽しめます。
このように季節を味わうことはできますが、労力も大変なものなので一シーズンに一回でいいやと思っていたら、屋台にいつもよりも大きめの栗が出ているのを見つけてしまいました。
屋台の奥にある箱の表示を見ると中国産です。
ということは、日本の栗に近いのではないかと思ってまた買ってしまいました。少々カビもあるので躊躇しましたが(黒くなっているのは避けましょう)。
茹でてみると、ホクホクと甘い、子供のころから親しんできた味です。
というわけで、ロンドンで日本と同じような栗を手に入れたかったら、11月中旬まで待ってみるとよいかもしれません。
かもしれないというのは、このイーリング・ブロードウェー (Ealing Broadway) のショッピングセンター前に出ている屋台は、果物の多くが一箱2ポンドとお買い得なのですが、同じものが安定して入荷するお店ではありません。
来年、同じのがまた入るとは限らないので、今だけのチャンスかも… さあ、急げ!
(イーリング・ブロードウェーの果物屋台、平日・土曜日営業でお買い得)