倫敦月/アラビア月

英国ロンドンとUAEドバイでの生活と見聞きしたこと、訪れた場所などのことを…

ドバイを漢字で書くと?

さて、ドバイに来てこのブログのタイトルに新たな地名を追加しようと考えたのですが、前からの「倫敦月」の形だと「ドバイ月」。何だかしっくり来ないなあと思いながら、さらに「ドバイ」を漢字でどう表記するかを調べたら「迪拜」?中国語ですね。

 

ロンドンを「倫敦」と表記したのは夏目漱石『倫敦塔』などが出た明治時代ですが、ドバイのあるUAEが独立したのは1971年、ドバイが経済的に発展してきたのはこの20年程度。もはや海外の地名に漢字を当てることはなく、ドバイの漢字表記がないのも当然でしょう。

それに迪(テキ、チャク)は道や進むの意味、拜(ハイ)は拝の旧字体ですが、どちらも今の日本では馴染みのない字なので、これをブログのタイトルにするのはピンときません。

 

じゃあ、この場所をどう呼んでいたかを調べていて行き当たったのが「アラブ」と「アラビア」。

この国UAEは「アラブ首長国連邦」だから「アラブ月」にしようかと思ったのですが、英語の Arab は "a person from the Middle East or N africa"、中東・北アフリカの人(アラブ人)を指す名詞。そして、「アラビア」やアラブ人に関する形容詞とのこと。

 

では、その「アラビア」は何かといえば…

おや?Oxford Advanced Leaners Dictionaryにはありませんね。Collinsでは、Arabia: "a great peninsula of SW Asia"、つまりUAEやサウジアラビアのある巨大な半島を指す地名です。

というわけで、「倫敦(ロンドン)月」につなげるには「アラビア」がふさわしいと思ったのですが、漢字表記では「亜剌比亜」。無理やり付けたような、「夜露死苦」(よろしく)、「仏恥義理」(ぶっちぎり)といった昔の不良みたいな。かといって、現代の中国語では「阿拉伯」だそうで、これは読めない。

それで、「アラビア月」とカタカナのままにしました。コロナウイルス流行が治まったらドバイだけでなく周辺国にも行ってみたいという願いも込めて。

 

なお、Oxfordでは関連する形容詞であっても Arabianは地名に、Arabは人に、Arabicは言葉や文字に使われると説明しています。Japaneseが「日本の」、「日本人」、「日本語」に使われるのとは違うのですね。というより、English、Grerman、Chinese等と違い、なぜアラビアだけが特別なのか?

 

ついでに、イタリア料理の唐辛子を使ったトマトソース「アラビアータ」も調べておこうと思ったら、イタリア語の 'arrabbiata' 「怒り」を意味していて、アラビアとは何の関係もないとか。ボロネーゼ(ボローニャ風)、ミラネーゼ(ミラノ風)などと同じように、中東風のトマトソースかと想像していたのは全くの誤解だったのでした…