倫敦月/アラビア月

英国ロンドンとUAEドバイでの生活と見聞きしたこと、訪れた場所などのことを…

Channelは回すもの?(チャンネルあれこれ)

言葉の連想ゲームが止まりません。(笑)

海峡ってStrait, Channe, Passage, Sound? - 倫敦月

この海峡'Strait'から始まった記事で、'Channel'も海峡の一つとして取り上げましたが、この言葉で一番ピンとくるのはテレビのチャンネルでしょう。

 

Oxford English Mini Dictionaryで'Channel'を引いてみると、一番目に出てきます。

 1. a band of frequencies used in radio and television / ラジオ、テレビで使われる(電波の)周波数帯

 2. a means of communication / コミュニケーションの手段

 3. a passage along liquid flows / 液体の通り道

 4. a stretch of water joining two seas / 二つの海を繋ぐ水路 ←海峡

 

2~4は何かの通り道というイメージですね。そこから、1も音声・映像が特定の電波の領域を使って通ってくるという感じで捉えられます。

語源をOxford Learner's Dictionaryで見てみると、フランス古語'Chanel'←ラテン語'Canalis' パイプ←ギリシャ語'kanna' 葦。

つまり、植物の葦の茎が中空で、パイプ状というのが大元ということです。

(フランス語のところ、ファッションブランドのシャネルですね!)

 

これで理解できたのが、日本語でも「Cチャンネル」と呼ばれる鉄骨の部材。断面がコの字をした鋼材で、溝形鋼と呼ばれるものです。真ん中が空洞である構造から派生した呼び方ということですね。

Structural channel - Wikipedia

 

でも、テレビのチャンネルといえば、丸くて1~12の数字とツマミがついていて、ガチャガチャ回すもの… というのは何十年前のイメージなんでしょうか。(笑)

「ドリフの大爆笑」(1977年開始)という番組のテーマでも『チャンネル回せば顔なじみ~』と歌われていましたが、その頃は普通の用例だったということです。

回転式のスイッチから、1~12の数字のついたボタンになり、やがて上下ボタン、またはテンキーになり、それがリモコンについているのが現在の姿ですね。

 

では、英語でも「回す」と言っていたのかとググってみると、'turn the channel dial (or knob)'という表現がありました。ダイヤルまたはノブとついているのがしっかりしていますね。

ダイヤルがない現在では、'change/switch channel'なのですが、OxfordやMerriam-Websterではイギリスの用法として'turn over'が別のチャンネルに変えるときに使われるとされています。ひっくり返すようで大げさに感じますが…

 

さて、もう一つ、昔は回していたものとして、電話のダイヤル。

『ダイヤル回せばかかった~』と歌っていたラジオ番組「全国こども電話相談室」は1964年開始。

それが、ボタンかスマホ画面上の数字になったわけです。

新入社員が会社に残っていた古いダイヤル式の電話が使えず、個人用携帯電話で連絡が来たときは、笑いながら自分が旧世代であることを実感しました。

 

では、電話を掛けるときに「ダイヤル」という表現がなくなったのかというと…

"ダイヤルする"をGoogle検索してみると、NTTやソフトバンク他のページがぞろぞろ出てきます。「フリーダイヤル」も現行のサービスだし、同じ電話番号にかけなおすのは「リダイヤル」。

 

英語でも'dial'には動詞'call a phone number'の意味があります。

スマホでもiPhoneには'Dial Assist'の機能があり、Androidでは'Speed dial'の機能があり、電話をかけるときは'Dialpad'が現れます。ちゃんと数字ボタンで、スマホ画面上に「の」の字を書く必要はありません。(笑)

 

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