コロナウイルス対策下のフランス・イギリス入国手続き
ユーロスターを使ってロンドンからパリに往復してきました。
コロナウイルスが流行し始めて以来、ほぼ半年ぶりのイギリス国外への移動でした。その際、フランス入国、イギリス入国でそれぞれコロナウイルス対策の手続きが増えていましたので、2020年8月上旬の状況として記しておきます。
(パリ北駅にて)
まず、ロンドンからパリへの往路です。以前と異なっていたのは下記の点でした。
- ユーロスターのウェブページ(下記のリンク)にコロナウイルス関連の注意事項が示されている。
(ユーロスターのコロナウイルス関連情報・注意事項のウェブページ)
- 便数が減少。以前は約1時間毎だったが、現在は約1.5時間毎。始発は遅く、最終は早い。
- フランスに入国する16歳以上は全員、コロナウイルスの症状がなく・感染者に接触していないことの宣誓書(Sworn Statement、下記に詳細)の携行が必要。上記リンクのページから、フランス行きの重要事項(Essential info for travel to France)の箇所で用紙のPDFファイルをダウンロードできる。セント・パンクラス駅(St Pancras International)でも駅係員が用紙を配っていた。
- 駅構内、列車内ではマスク等のフェイスカバーを着用する必要がある。
- 席の間隔を取るために、事前の座席予約が変更になることがある。自動改札の際、黄色い変更票が出て指示される。
- 待合スペースの椅子には一つ置きに使用しないよう注意を促すシールが貼られていた。各所に手の消毒薬が出るスタンドがあった。テイクアウトのコーヒーカップを持っている人がいたのでカフェは営業していたと思われる。
- 列車内の飲食物の販売は停止。ペットボトル入り等の保安検査装置を通せる飲み物は持ち込み可能(こぼれるものは不可、容量制限なし)。
宣誓書(コロナウイルスの症状、及び感染者への接触がないこと、Sworn Statement of Absence of COVID-19 Symptoms and of Contact with Confirmed Cases)の記入項目は次の通りです。
- Mr/Ms: <氏名>
- Born on: <生年月日> (日/月/年の順に)
- Nationality: <国籍>
- Residing at: <住所>
- (過去14日間に感染者と接触しておらず、48時間以内に発熱、寒気、倦怠感、息切れ、筋肉痛、頭痛、味覚・嗅覚異常、異常な下痢がないこと証明する)
- Done at on <記入日> , at h <時刻、hの左に時、右に分> Signature: <サイン>
なお、この宣誓書は日本からフランスに入国するときにも必要です。
朝一番の便を利用するため、発車のおよそ1時間30分前に駅に着きましたが、まだ改札は開いていませんでした。ほどなく、係員の指示で入場の列を指示され、誓約書用紙の配付はこの時点で行われました。
フランスへの入国審査(パスポートのチェック、マスクを外すよう指示あり)、荷物の保安検査は以前と変わりなく、特に時間を要することはありませんでした。
車内でも終点のパリ北駅(Paris Gare du Nord)でも、宣誓書の提示を求められたり、発熱等をチェックされることはなく、拍子抜けしました。
(始発約1時間前のセント・パンクラス駅待合室、椅子は一つ置きに間隔を取るよう表示)
次はパリからロンドンへの復路で、往路と異なる点を記します。
- イギリスに入国する18歳以上は全員、出発の48時間以内に渡航者所在申告書(Public Health Passenger Locator Form)のフォームをオンラインで入力し、入力済みのPDFを印刷しておくか、スマホ等にダウンロードして見せられるようにしておく必要がある。
- 改札に向かう入口で係員が、水を持っているか、中では飲物は手に入らないぞと知らせていた。
- フランスの出国審査は通常通り。イギリスへの入国審査では、フランスへの入国日、他の国に行かなかったか、コロナウイルスの症状はないか、コロナウイルス感染者に接触しなかったかを質問された。さらにBRPカード(イギリスのビザ取得者の在留許可証)と、上記の通知票の提示を求められた。
- 改札内では、お土産用チョコレート店を除く飲食店は営業していなかった。
なお、上記の所在申告書も先のユーロスターのウェブページにあり、下記にリンクします。全てオンライン入力が必要で、手書きで記入することはできません。また、Eメールアドレスが必要です。
このリンク先には、まず、なぜこの申告が必要かが説明されており、ページ下部の'Start now'をクリックして、データ入力に進みます。以下が入力項目です。
- システム登録のためのメールアドレスとパスワードを入力
- この入力が自分用か、他人用かを選択。他人用の場合はその理由(子の保護者等)が必要。
- 電話番号とそれがイギリス国内用か国外用か、回線電話か携帯電話か等を入力。
- 他の電話番号を持っているか。
- 電話で連絡できるか、SMSで連絡できるかを選択。いずれか、または両方で連絡できない場合は理由を入力。
- 名(Given name)と苗字(Family name)。
- 6で入力した以外の氏名を使ったことがあれば入力。
- イギリス到着の年月日、時刻、イギリス出国予定日(あれば)。
- 性別
- 生年月日
- パスポート番号、発行日、有効期限
- イギリスに滞在するか、乗り継ぎか等
- イギリス到着の場所(空港・駅等)、交通機関会社名、予約番号、便名、座席(わかれば)
- グループの一員か(団体旅行、会社等)
- 18歳未満の同行者(フォームへの入力不要)の有無
- 滞在していた国(複数入力も可能)とその入国、出国日
- 自主隔離を免除される条件に該当するか(アイルランドからの入国、外交官、定期便パイロット等、入力ページのリンクから確認可能)
- イギリスでの滞在先、同居人の氏名、住所、滞在開始・終了日
- 入国後14日以内での別の滞在場所(ある場合)
- 緊急時の連絡者名、電話番号、Eメールアドレス
以上を入力してチェックしたら、'Submit'をクリックして登録し、入力済みのフォーム(PDF)をダウンロードしておきます。登録したEメールアドレスにも同じPDFが送られてきます。
これを印刷しておくか、スマホ等に表示できるようにして、イギリスへの入国審査時に提示します。パリ北駅では審査官のカウンターの小さな隙間からスマホを中に入れました。
このようにフランスの書類準備は楽なのに対して、イギリスは面倒です。全て英文の説明を読みながらの入力には時間がかかりますので、早めの準備が必要です。
(フランスの宣誓書、1枚のみで手書きでOK)
(イギリスの申告書PDF、オンライン入力のみ、3枚分)
ロンドンのセント・パンクラス駅に到着して出口に向かう際、出口直前で係員から別の列に行くように指示される人が20人に1人程の割合でいました。抜き打ちで健康チェックをしているのではないかと想像しました。
ヨーロッパ各地でコロナウイルス感染者が増えており、下記の記事にしたように、イギリス政府はスペインからの入国者(帰国者を含む)に2週間の自主隔離を再度義務付けました。その後、ベルギー、ルクセンブルク等も追加されています。
そして、次はフランスかと取り沙汰されています。イギリスの申告書の細かさを見ると、自主隔離に該当したときのチェックも厳しそうに思え、ホリデーメーカーはますます憂鬱です…